「なんだこの音楽は!?」 ゲーム音楽の素晴らしさは今の時代だからこそより実感できるのよ

へぇー、そりゃユッコの言い分だって分かるわよ。でもだったら尚更よ。もっちゃんのジュディ・オングに扮して女を真冬の海に突き落とす通称『南に向いてる社会の窓を開けプレイ』だって貴女を楽しませようとしている訳じゃないの。一方その頃のハギマント=ヴェッフェル伯爵だって・・・
あ!
どうもこんばんは。人呼んで恋愛相談マスター、奇跡のラブレボリューションセラピスト、九州最後の良心&良心こと私です。
言われるんですよこのブログ。前置きが長いって。あと不毛だって。
でもそれを言い出したらホラ、国会・・・とかもじゃん?なんかさ、アレ、ホラ、長かったりとかさ、な?
さて、東京都知事選最有力候補だった私が今回お話しするのは『ゲーム音楽』でございます。
いいですか皆さん。酔っ払いながらゲームのブログを片手間に書いてる人の話なんてそれこそ酔っ払いながらでも見てやってくださいよ?人生の暇つぶし、いや人生こそ暇つぶしであーる!とか叫びながら薬局でうまかっちゃんに挟んでコンドームを買うような人間の話ですからね。あーネコ飼いてー!
『ゲームは音楽である』
そう、これは約8年前某ゲーム店で働いていた私が、休憩室でマック食べてた同い年のバイト仲間に突如放った名言ですね。
例えば分かりやすくファミコン。グラフィックはお世辞にも綺麗とは言えないほどの、まだ模索段階だったドット絵の時代。
しかしその人間だか何だか分からないプレイキャラがラスボスに挑むシーンなんて、幼心に燃えたんじゃないかと思います。
なぜ燃えたのか・・・それはひとえにゲームの音楽が盛り上げてくれたからなのですよ!
・・・あぁ!もう早く紹介したい!紹介したい人たちがいるんです!!もう我慢できねぇこいつらだ!!
https://www.nicovideo.jp/watch/sm20111756
お酒を飲みながらゲーム音楽を聴く夜のひと時・・・プライスレス
そんな私はよくユーチューブやニコ動でゲームサウンドを日夜回遊しているわけですが・・・その時見つけたのがこの人たちです。
要は弦楽四重奏でゲーム音楽を演奏している人たちです。
細かいことは分かりませんが、左から・・・

バイオリン、バイオリン、一人とばして、でっかいの
といった印象を受けますよね。
うそうそうそ!ごめんなさい!私弦楽器とか全然詳しくないんでそれぞれ楽器の名称とか分からないんですよ。
ただ!!この人たちの奏でる音楽は僕の心を掴んで離さないということだけは確かなんです!
ふぉっふぉっふぉ、ちょっとだけ昔の話をしようかのぅ・・・
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「あら先生お待ちしていましたわ。(コンコンガチャッ)タカシちゃん、ヴァイオリンの先生がいらっしゃ・・・い、いない!?タカシちゃん!?いずこに!?」
「この窓から外に出たみたいですね。まぁお母さん、あの年頃の子供は友達と遊ぶことが仕事みたいなものですから。また明日同じ時間に来ますね」
「申し訳ありません先生・・・あとできつく叱っておきますから・・・」
心地よい初夏のそよ風が吹く小高い丘・・・タカシはぼんやり空を眺めながら呟いた。
「へっ、毎日毎日ヴァイオリンヴァイオリンって・・・俺はもっと野球とかサッカーをやりたいっつーの。あーあ何であんな家に産まれたんだよオレは」
父親は自分が3歳の時に交通事故で死んでしまい、それからは女手一つで育った。勉強は優秀、スポーツだって得意だ。しかし母親はタカシにヴァイオリンを習わせることに決めたのである。
母も学生時代はバイオリンを習っていたらしい。しかし音楽大学には進まずそのまま就職。いわゆるOLとして日々働きその時出逢った人、つまり父と結婚して退社したとのことだ。
母はヴァイオリンに未練があったらしく自分が産まれてすぐ、倉庫から埃だらけのヴァイオリンを持ってきて持たせてくれた。まだ言葉すら話せない自分にだ。
最初はおもちゃ代わりに遊んでいたヴァイオリンをいつしか奏でるようになり、小学校に入学すると本格的に先生を付けることになった。
先生と言っているが母親が学生時代お世話になった先輩らしい。
「やっぱりここだったんだね」
少し離れた木陰から聞こえた声にビクッとした。見るとヴァイオリンの先生がそこにいた。
「なんだ先生かよ。別に謝んねーぞ」
「謝らなくったっていいさ。横・・・いいかな?」
先生は自分の横に腰掛けると同じ空の方を向きながら話し始めた。
「タカシ君はさ、ヴァイオリン・・・好きかい?」
「そりゃあ嫌いじゃないけどさ。でも友達で誰もやってないんだぜ?クラスでもちょっとした変人扱いされてる感じかな」
「変人?どうして?」
「ヴァイオリンなんて楽器としてもマニアックだし、なんか坊ちゃんとか言われるしさ。本当は野球部に入りたかったけどお母さんがダメだって。部活には入らず家でヴァイオリンを練習しなさいだって。そりゃ友達ともすれ違うしさ、なんか浮いちゃうんだよね」
突き抜けるように晴れた空を見ながら先生の質問に答えた。
「タカシ君さ、ゲーム好きかい?」
「えっ・・・?」
急な質問に一瞬ドキッとした。サッカーよりも野球よりも好きなことがある。それがゲームだったからだ。動揺を隠しながら答える。
「まぁ・・・やるときもあるかな」
先生はこっちを見つめ嬉しそうに叫んだ。
「本当かい!?実は僕もゲーム大好きでね!特にレトロゲームのサウンド!これは最高なんだ!ゲームボーイの聖剣伝説やサガ2なんて音の限界を超えた表現力っていうか神の紡ぎし奇跡っていうか、とにかく最高なんだよね!」
普段は冷静で優しい先生がゲームの話を始めた途端に目を輝かせ、興奮しながらまるで子供の様にゲームの良さ、いや『ゲーム音楽』の良さを延々語り続けている。
「先生も・・・サガ2とか好きなの?死闘の果てに・・・とか?」
「おーっ!最高じゃないか!アポロンがさ、集めた秘宝を使って変身するシーンな!あれメチャクチャ燃えるだろ!?あとビーナス戦!『いまのあんたがいちばんみにくいぜ!』だって!シナリオも最高ながらあの流れで掛かる死闘の果てにはもう神懸かってるよね!?いやー思い出すだけで興奮しちゃうなー!」
意外だった。
普段はクラシックをメインに指導しているあの真面目な先生がまさか自分と同じレトロゲームサウンドマニアだったとは。
「四魔貴族・・・とか?」
「特に四魔貴族1の方な!あの憂いを帯びたイントロから流れるように奏でられるハープ、強大な敵と対峙しておきながら溢れる希望と未来!実はロマサガシリーズは難しくてプレイすることを諦めていたんだがその曲をどうしてもストーリーと合わせて聴きたくなって買い直したんだ!いやー何回ゲームオーバーになったことか!あとあれ『よんまきぞく』なのか『しまきぞく』なのか分からないよね!個人的には『よんまきぞく』の方が好きな響きだなぁ!『よ』と『ま』の発音の間にあるどこかもっさりしてそれでいて耳触りのよい『ん』の音はアンダンテ・マエストーソさながらゆっくり荘重に・・・」
途中からはあまり聞いてなっかった。ただ、先生の目はちょっと危ない方向へとイッていた。
あ、ヨシダに借りてたメガドライブ2返さなきゃ。見た目に反して異様に軽いレトロハードの事を思い出していた時だった。
「好きな音楽、弾けばいいんじゃないかな?」
突然先生がいつもの様に優しく語り掛けてきた。目はもうイッてなかった。
「僕もさ、小さいころから親の勧めでヴァイオリンを習ってた、いや習わされてたって感じだけどね。いやでいやでしょうがなかったけど他に好きなこともなくってさ。結局そのまま習い続けて音大も出たけど別に『日本を飛び出して学びたい!』なーんて考えもなかったし。結局は地元でヴァイオリン塾を開いて細々とやってるって訳さ」
先生は続けた。
「でも5年前だったかな?塾の書類管理や制作のためにパソコンを購入したんだ。滅多に使わないんだけど、ある日ネット見ていると偶然『ヴァイオリンでレトロゲーム音楽弾いてみた』っていう文章があってさ。何だこれ?と思って何気なく開いてみたんだ。そしたらどうだ・・・ヴァイオリンでクラシックしか奏でてこなかった僕には想像もできなかった新しい世界、いや新しい『人生』が目の前に現れたんだ!」
ニコニコなんかでよく見かける〇〇やってみた、とか〇〇弾いてみたといった類の動画を見たんだろう。
「なぜだろうね。今までゲームサウンドをヴァイオリンで奏でてみようなんて事一度も思ったことはなかったんだ。青天の霹靂ってやつだね。脳みそに雷がチタンチターン!って落っこちた気分。アシュラの世界に出てくるバラクーダだったら一撃で倒されるところだったよ」
多分先生はあのゲームが大好きなんだろうなぁとタカシは思った。
「期せずして僕には絶対音感があったんだ。小さいころから音楽をやっていたからね。今まで何の役にも立たない能力だと思ってたけど、それを使ってどんなゲームの音楽でも譜面にすることができたんだ。どんなゲームでも、何和音でも」
普通に凄いじゃん、と思った。
「全ファミコンタイトル1252本(諸説あり)、全スーファミタイトル1447本(諸説あり)の全楽曲を譜面に起こして演奏するのが目標なんだ。まだ3割程しかできていないけどね」
異常に凄いじゃん、と思った。
「でも一人で奏で続けるのは限界があると感じてね。最近では知り合いやネットからメンバーを募集してセッションすることも多いんだ。レトロゲーム専門の演奏屋としてね。演奏風景を動画サイトにあげてみたらアクセス数もそこそこ伸び始めちゃってさ。宴会や結婚式なんかのイベントに呼ばれることなんかもしばしば。最近はそっちの方がメインになっちゃった感じ。なんせ『好きなことで、生きていく』ようなものだからね。そりゃ楽しいよね」
先生の意外な一面を見た。
「タカシ君、ヴァイオリン、続ける?」
「えっ?」
「今はやらされてる感が強いだろうし楽しくないかもしれない。でもさ、後になって『やっぱり続けてればよかった!』なんてことにならないで欲しいんだ。僕だって何気にやってたヴァイオリンだけど今はむしろ親に感謝しているくらいだ。『他の人には体験出来ない、奏でることでゲームと一体化する』ことを味わえるんだから。子供の頃にしかできないことだってある。でも本当に苦痛なら辞めてもいい。今の君は可能性に満ちているんだ。人間同士の交流が希薄で信用すら曖昧なこのネット社会でさえ色んな形で君を後押ししてくれる可能性だってある。迷わず行けよ、行けば分かるさ!ダァーー!!」
最後は赤いアゴの人みたいだったけど、熱い思いは伝わってきた・・・ような気がする。
「明日の練習、どうする?」
先生が言った。
「明日は・・・とりあえずやる」
僕が言った。
「何か弾いてみたい曲ある?」
先生が言った。
「・・・エイトメロディーズ」
僕が言った。
「マザーの曲を選んだあなたは甘えん坊で母親を大切にする優しい子です」
先生が言った。
「占いかよ!」
僕が言った。立ち上がりながら空を見上げた。
黄色く染まった夕日が一瞬パックマンに見えた気がした。
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・・・
・・・
な?
こんな感じで演奏を披露している人だっていそうでしょ?
多分現実はもっとドラマティックな感じで今に至る人だっているかと思います。
まぁ要は何を伝えたかったのか。
ゲーム音楽最高
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